過去の研究 自然科学サワオグルマの生活史および繁殖特性について

  • サワオグルマの生活史および繁殖特性について
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居谷里湿原のサワオグルマの花期は5月下旬~6月中旬で,1個体あたりの頭花(頭状花序)は8~34個(16.9±6.11個),1頭花あたりの筒状花数は77~121個(95.3±12.4個)で,1日あたりの筒状花の開花数は5~21個(13.5±5.82)でした.
訪花昆虫は35種と多種に及び,トンボ目およびカメムシ目は一時的な訪花とみなされましたが,ハエ目およびハチ目は花資源を目的に多種類が花間を移動していました.
散布期は6月下旬からはじまり,散布を終えた地上茎は6月下旬から枯死しました.発芽は,散布してわずかな期間で生じることから,散布時に非休眠の状態であることが考えられました.発芽は潅水条件でよく見られた一方,冠水条件では1個のみでした.成長の早い個体では 3 年目に開花が生じ,果実による繁殖が行われるとともに栄養繁殖は葉腋に生じた定芽が幼植物へと成長した後に節から外れて独立するということが明らかにすることができました.

千葉 悟志・四方 圭一郎・板橋 和子・有川 美保子・宮澤 陽美(2023)サワオグルマの生活史および繁殖特性について―日本産草本植物の生活史研究プロジェクト報告第15報―.市立大町山岳博物館研究紀要8:23-30

千葉悟志

担当研究者千葉悟志

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